放課後等デイサービスで自由時間の使い方が分からない子への対処と支援

自由時間の使い方が分からない

放課後等デイサービスを利用する子の中には、自分から遊びや好きなことを見つけたり、自由時間の使い方が分からないという子もいます。

子供の中には自宅でも時間のつぶし方が分からず、テレビだけを見ていたり、iPadなどのタブレットでYouTubeの動画だけを見て過ごしているという子も多くいます。もちろんテレビやiPadで楽しむのも悪くは無いですが、自分から好きなことや趣味に繋がるようなことに挑戦してもらいたいと思うものです。

放課後等デイサービスを卒業し成人として社会に出てからも、休暇のすごし方が分からず、家でぼーっとしているというという事も耳にします。余暇や自由時間は好きなことを行うだけでなく、ストレスの発散や気分転換を行う意味もあります。

余暇を楽しんですごすことができないとリラックスができず、疲れやストレスも溜まってしまうことに繋がります。

放課後等デイサービスは障害を持つ子供への余暇の提供も重要なサービス内容となっており、自由時間や余暇のすごし方も支援内容のひとつとなります。

では、実際に放課後等デイサービスで自由時間の使い方が分からない場合にはどのような対処や支援方法があるのかをまとめてみました。

自由時間の使い方の支援方法

自由時間に自分からやりたいことを見つけられない場合や、行動に移せない場合には本人の障害特性や性格、好きなことなどを考慮し支援してあげましょう。

何がやりたいかを本人に聞いてみる

子供本人の中でやりたい事が有っても、どのように行えば良いのかが分からなかったり、行動に移すきっかけが掴めないということもあります。

まずは本人に何がやりたいかを聞いて、やり方を教えたり、不明な点や問題点などがある場合には一緒に解決してあげましょう。

好きな物を事前に把握しておく

自由時間に自分から遊んだりするのが難しい子供の場合、事前に好きな遊びや興味のある物事、仲の良いお友達などを把握しておくことも重要です。

好きな物ごとを把握しておくことで、こちらから遊びを提供したり、いくつかの選択肢を用意して自分で選んでもらう方法を提案できます。

好きな物ごとをリストなどで選択できるようにしておくと、放課後等デイサービスの自由時間だけでなく、自宅でも休日や夜などの空いている時間を過ごす方法として利用できるでしょう。

スケジュールを作りそれに沿って遊ぶ

毎日放課後等デイサービスを利用する子の場合などは、本人と一緒に自由時間のスケジュールや予定を作り、それに沿って遊んだり活動してもらうという方法もあります。

スケジュールを作ることで見通しが付き落ち着いて行動できるだけでなく、自分から遊びの準備や後片付けなどの段取りを考える力を付ける事が出来ます。

また、自由時間の始まりと開始が分からずに行動が出来ないという場合には、時間を意識したタイムスケジュール方式にして、何時何分から何時何分までが自由時間だということを明確にしてあげましょう。

遊びに誘ってみる

好きな事が有っても自分から行動に移すことが出来ない場合などは、職員が遊びに誘ったり、仲の良いお友達に誘ってもらうように促すという方法もあります。

一人では何をして良いのか分からない場合でも、お友達と一緒だと真似をして行動が出来る事もあります。

お友達や職員と一緒に行動する事で、遊びやゲームのルールやマナーを学んだり集団でのコミュニケーション能力の向上にも繋がるでしょう。お友達から誘ってもらい遊びに慣れたら、次の機会には逆に自分からお友達を誘うことにも挑戦してもらうのも、コミュニケーションの練習の一環となります。

興味があるものを用意する

興味の有る物や好きな遊びの道具などを職員が用意して、本人に選んでもらう方法もあります。

自分からは行動に移すことが難しい場合でも、いくつかの物を用意し選択できるようになると、自分で選んで行動できる事も多いです。

課題を与える

遊びを自分から見つけることが出来ない場合には、職員が本人の好きな物や興味のある事を課題として与える方法もあります。

自由時間に何をして良いのか分からない子供の場合、時間を持て余すと不安になったりイライラとして気持ちが不安定になる事もありますが、そんな子供でも好きな事を課題として出されると落ち着いて活動出来る事も多いです。

課題には勉強や作業的なものだけでなく、好きな絵本を手渡す、遊びに参加してもらうといった方法や、お手伝いや係りなどを頼むといった事でも良いでしょう。

興味の範囲を広げる

自閉症などの発達障害の子供は、その障害特性から特定の物事に強い興味を示しますが、逆に興味の無いものは経験したことの無いものに対しては不安などから挑戦する事を嫌がる場合があります。

子供の興味の範囲を広げるというのは難しい事ですが、放課後等デイサービスの活動の中で様々な事に挑戦してもらい、本人が興味を示す活動や遊びを見つけて興味の幅が広がるように支援してあげましょう。

嫌がる活動や遊びに無理に参加させる必要は無いですが、出来る部分だけでも参加してもらったり、見学をするなどして理解や経験を増やしてあげましょう。

まとめ

障害を持つ子供は様々な理由から、自由時間を好きに使ったり、自分からやりたいことを見つけて行動に移すことが難しい場合があります。

放課後等デイサービスの自由時間でやることが分からず時間をもてあましている場合には、職員が声をかけてやりたいことを聞いてみたり、お友達の遊びや活動に誘ってあげましょう。

また、やりたい事自体がが分からないのか、やりたいことはあっても行動に移せないのかを見極めて、子供ごとに適切な支援をする事が重要になります。