放課後等デイサービス施設内のプール活動の楽しみ方
放課後等デイサービス施設内のプール活動の楽しみ方
夏の暑い時期には放課後等デイサービスでの主な活動となるプール。
子供達も大好きですし、夏休みでエネルギーが有り余っている子供の運動の場にもなります。
しかしプール活動も、注意しないといけないことがたくさん有ります。
プールを使った療育や訓練、楽しい遊び方などについてはまた別の機会にして、このページでは、放課後等デイサービスの施設内で簡易プールやビニールプールを使った活動を行う際の注意点などをまとめてみます。
放課後等デイサービスでプール活動を行う注意点
放課後等デイサービスでプール活動を行う際に、感じたことや注意したほうが良いことなどをまとめてみました。
これらの内容以外にも、子供一人ひとりの特性や、子供同士の愛称なども確認し、仲良く楽しめるプール活動を行ってあげましょう。
体調管理
プールに入る場合には家庭で保護者に検温をお願いし体温を把握すると共に、プールへの入水の許可と同意を貰いましょう。
自宅での検温で熱が無い場合でも子供が不調を訴えたり調子が悪そうに見えた場合には、その都度検温や体調の様子を確認しプールへ入るか否かの判断をします。
体温だけでなく学校の授業やイベントでの疲れ、子供の睡眠不足や夏場の疲労なども考慮する必要があります。
プールの水温
簡易プールやビニールプールを用意してプール活動を行う場合には、プールの準備なども必要になります。
水道水や井戸水をそのまま使うと水温が低いため、事前に水を張って太陽の熱で水温を上げて置きましょう。プールの遊泳適した水温は26度から31度が目安と言われています。
参考:公益社団法人 日本プールアメニティ協会「プールの水の適温は何度ですか?」
プールの設置
プールも出来れば2箇所以上設置し、水が苦手な子供のために水深が浅いものを用意したり、動きの大きな子と大人しい子や身体障害などで体に不自由の有る子を別にするなどの配慮をしましょう。
プールの設置の際には出入りする場所にマットを敷いたり、足をやけどしないようにサンダルを用意するなども必要です。マットやシートを引く場合には水に濡れると非常に滑りやすくなるタイプもあるので、滑りにくいものや滑り止めなどを使うと良いです。
プールの水については、ビニールプールであれば毎回使い捨てましょう。比較的規模の大きな簡易プールの場合には付属の濾過機で水を綺麗にするほか、規定の量の塩素で消毒をしてプールの使用前に塩素の濃度を計測して記録をつけましょう。
着替え
プール活動では水着に着替えるということと、プールから出た後に服に着替えるという行動があります。
着替えは日常生活で必要な動作訓練にもなるので、基本は子供本人に挑戦してもらい、着脱が難しい部分を手伝ってあげるようにしましょう。
着替えも一斉に行うと脱いだ服を見失ってしまったり、他の子供の荷物にまぎれてしまうということも多いので、1人ずつや数人ずつで順番に行うと取り違えなども少なくなります。
水着や衣服についても着替えを行う前に、担当の職員が名前の有無、色や模様の確認などをしておき、誰が誰のであるかを把握しておく事と、カゴや袋を使い1人の荷物は全部その中にまとめて入れるようにしましょう。
それと、意外に多いのがビーチサンダルの紛失です。ビーチサンダルを履いている子供が居た場合には特に注意をしておくと良いでしょう。
プールに入る前のトイレ
トイレが近い子や自分からトイレの意思表示を出すのが難しい子供の場合には、プールに入る前にトイレに行くようにしましょう。また、プールで楽しんでいるとそちらに気を取られてトイレを忘れてしまったり、プール内で漏らしてしまうということもあります。
また、プールでは水を飲んでしまうことも多く(意識的に飲んでいる子も多いですが・・・)その分トイレが近くなるので注意が必要です。
プール内ではトイレの対応が大変な場合には、プール用の紙パンツを使ってもらう方法もあります。
他害行為や怪我に注意
プールでは肌の露出が多い格好であったり、ラッシュガード一枚など薄着である事が多いです。そのため、他害や他傷を受けると怪我が酷くなりやすくなります。
他害や他傷の可能性がある子供が入る場合には、その子の様子を見てストレスや普段との様子の違いなどに注意し、他の子供と入るタイミングをずらしたり、職員が間に入るなどしてフォローできる体制にしましょう。
また、他害や他傷でなくても、遊んでいるうちにプールの縁や水鉄砲などのおもちゃが体に当たり傷ができるということもあるので注意が必要です。
おもちゃやプールの破損等
プール内では水鉄砲などのおもちゃを使って楽しむ事もあると思いますが、おもちゃの破損にも注意が必要です。
子供たちは水鉄砲などのおもちゃは大好きで、夢中になって遊んでいるうちに力んで壊してしまったり、お友達と取り合いをしているうちに破損してしまうということも多いです。口の感覚が好きな子供は口に当てたり噛んだりして壊してしまう事もあります。
プラスチックなどで出来た水鉄砲が壊れてしまうと怪我の原因になるので、破損をしていたりヒビなどが入っているのを見かけたら使うのを止めましょう。また、破損していた場合には壊れた破片も探しプール内から除去する事が怪我の防止にもなります。
物を口に当てたり噛んだりするのが好きな子供の場合には、ビニールプールや浮き輪を噛んで穴を開けてしまうこともあるので注意が必要です。
水が苦手な子への配慮
水が苦手な子やプールが怖い子には浅いプールを用意したり、大型の桶やバケツなどで足だけ水に浸かるなど、プールに入らなくても水で遊べるような配慮をしてあげましょう。
また、身長が低い子や体の不自由な子には、ベスト型や腕に巻く浮き輪を付けてあげて沈まないようにしてあげましょう。
顔に水がかかるのが嫌いな子の場合には、いつでも顔が拭けるようにプールの近くにタオルを用意しておきましょう。
見守り
子供がプールに入っている場合には、必ず職員が見守りをして子供が溺れていたり、怪我などをしないか監視をしましょう。
監視は沈んでいる子供を見るだけでなく、プールの隅でじっと動かない子や、表情の硬い子、顔色の悪い子など普段と様子が違う子も注意して見るようにしましょう。
プールの隅でじっとして動かない子は体調が悪い可能性のほか、トイレに行きたかったり、プールから出たいけど出られない、プールでストレスを感じているという可能性があります。表情の硬い子、顔色の悪い子は体調が悪くなっていたり、体温が下がって寒いと感じている事があります。
また、不意のてんかん発作や、プール内での喧嘩や他害行為などが発生する事もあるので、プールを見守る人は水着や濡れても良い服装で直ぐに水に入れる体制をとっておくのも必要になります。
見守りはプールの際で行うことが多いと思いますが、日向の場合には熱中症には気をつけましょう。プール監視の熱中症対策には帽子を被るほか、パラソルやアウトドア用のタープで日陰を作ったり、足だけプールに浸かるなどして対策を取りましょう。
プール活動を終わりにするタイミング
プールが大好きな子供はプールを終わりにする時間になってもなかなか出ることが出来ない場合があります。
特に発達障害を持っている子の場合は、活動の終わりを理解自体や、終わりを理解していても気持ちを切り替えて行動に移すまでに時間がかかることがあります。
プールを終わりにする時間があらかじめ決まっている場合には、タイマーや時計などを用意して視覚的に終るタイミングを理解できるようにしてあげましょう。また、定期的に「あと5分だよ」「あと3分だよ」と声をかけることで、終わりが近づいている事を意識させましょう。
プールからでる順番が決まっている場合には「何人目に出る」「○○君の次に出るよ」など教えてあげましょう。
プールを見学する場合
体調不良やその子の気分などでプールに入らず見学をする場合は、熱中症にならないように日陰で見学をしたり、バケツや桶などに水を張って足だけ水に浸かって楽しむというようにしましょう。また、見学中は定期的に水分補給を促すことも必要です。
プール活動を見学する予定でも子供本人の中でプールに入るつもりである場合などは、服を着たままでもプールの中に飛び込んでしまうということもあるので注意しましょう。
まとめ
放課後等デイサービスでプール活動をする際に感じた注意点や工夫するとよい部分などをざっとまとめてみました。
プールに関しての個人的経験では、着替え時の荷物の取り違えや紛失と、プール内での怪我が多いと感じており、特に注意をしなくてはいけない点だと思っています。
プールは子供が大好きな物のひとつで、体を使って動かすのにもとても良い活動です。
しかし、一つ間違えれば事故や怪我にもつながりかねないので、周囲の職員がしっかりと注意と見守りを行い、楽しい活動にしてあげましょう。