放課後等デイサービスで学校送迎時の子供のパニックの対処方法

2018年12月31日

放課後等デイサービスで学校送迎時の子供のパニックの対処方法

特別支援学校や支援クラスのある学校にお迎えに行く放課後等デイサービスの事業所も多いと思います。

その際、学校の下校の時間になると気持ちが不安定になったり、パニックになったりする子供を見受ける時があります。

下校時にパニックになるのは『今日は学校のバスで帰りたい』『自分の中でこの日は放課後等デイサービスを利用する日ではない』『面談や参観に来た保護者を構内で見かけ、一緒に帰りたくなった』などが多いです。

それ以外にも、午後の眠くなる時間である事や、朝自宅で飲んだ薬の効果が切れてくる時間でもあるので気持ちが不安定になる理由は多く考えられます。

そして、学校の先生も子供達が下校してからの仕事や会議や面談などもあるので、早く子供を放課後等デイサービスに引き渡したいということも多く見られ、パニックは気持ちが落ち着いていない状況の子供でも強引に引き渡してくる事もあります。

すべての学校や先生がそうだとは言いませんが、中には先生も早く子供を放課後等デイサービスに引き渡したくて、送迎車に乗りたくないとワーワー言ってパニックになっている子供を半ば強制的に連れてきたり、場合によっては先生数人で担ぎ込んでくることもあります。

子供がパニック状態で連れてこられてしまうと、放課後等デイサービス側も急には対処が出来ません。さらに、こちら側が対処を行う前に送迎車に乗せられてしまうと、他害行為などで他の子に危害を与えたり、暴れることで車などが傷つくこともあります。

そんな学校お迎え時に子供がパニックになっていた場合の対処方法をまとめてみました。

なお、放課後等デイサービスの学校送迎の注意点については以下のページでまとめています。

関連ページ
放課後等デイサービスの学校送迎の注意点 | 放課後等デイサービスのノウハウメモ

学校送迎時に子供がパニックになったら

学校送迎時子供がパニックになっていたら、子供本人と同乗の子供やスタッフの安全を確保する事と、出来るだけパニックが収まり気持ちが安定した状態で送迎車に乗ってもらうことが重要になります。

パニックが落ち着くまで学校で待ってもらう

子供がパニックの状態で無理に送迎車に連れてこられてしまうと、1人か2人程度の放課後等デイサービスの送迎担当者では対応が出来ません。

先生と送迎車の時間の都合なども有りますが、パニックが落ち着くまで学校内で待機してもらうことが基本となります。

待機する時間にもよりますが、次のお迎え先などが決まっている場合には、予め電話などをして送れることを伝えましょう。

パニックとなった原因を聞く

パニックや気持ちが不安定になってしまった場合には、学校の先生から理由や原因を聞くことも重要です。パニックになった原因が分かれば対処する方法なども出てくることがあります。

また、パニックの理由だけでなく、パニックになる前の様子や、トイレの有無や給食の量、学校での1日の様子なども聞いておきましょう。

今後の予定を説明する

気持ちが不安定でも会話が可能な場合には、今後の予定を説明して見通しを付けてあげましょう。

放課後等デイサービスに行くことと、そこで行うことを説明し、納得できれば渋々であっても落ち着いて送迎車に乗れることも有ります。

要望を聞く

本人に何かの要望があってパニックになっている場合には、その要望を聞いてあげることも必要です。

要望をかなえる事が出来なくても気持ちを汲み取ってあげたり、要望に似た代替手段を用意するなどの方法を取ることが出来ます。

対応策を用意する

過去にも学校送迎時にパニックになった場合やパニックになる理由が分かっている場合には、対応策を用意しておくことも効果的です。

空腹で怒っている子の場合には『飴やチョコなどのちょっとしたお菓子を用意する』『おやつを大盛りにすると説明する』『放課後等デイサービスに付いたら最初におやつの時間だと伝える』などです。

早く家に帰りたい子の場合には『帰りの送迎順や時間を早めると伝える』『家に到着する見込み時間を伝える』などです。

放課後等デイサービスで好きな遊びや落ち着ける活動がある子供の場合には、その活動を行うことを伝えてあげるのも良いでしょう。

送迎車に乗せる順番を考慮する

送迎車に乗ってもらう順番を変更する事でスムーズに対応できることもあります。

人が居ると落ち着かなかったりする子の場合には、お友達が誰も来ていない状態のときに車に先に乗ってもらい車内で気持ちを落ち着かせると良いでしょう。

苦手なお友達や嫌いなお友達が既に乗っていると、後から車に乗るのを嫌がったりする事もあるので、そのような場合には子供を乗せる順番を調整しましょう。

逆に、逆に先に落ち着いている子を乗せて安全なスペースを確保し、送迎担当職員の準備が出来たらパニックの子を受け入れるという方法を取ることも出来ます。

落ち着いている子とパニックの子が同時に送迎車に来てしまうと、どちらの対応も出来ず事故や怪我に繋がるので、送迎車に乗せる順番を考慮する必要も重要です。

玄関前まで送迎車を移動させる

特別支援学校にお迎えに行く際には、学校の送迎バスの停車位置や、多数お迎えに来ている他の放課後等デイサービスの送迎車の配置の問題から、玄関から離れた位置に車を停車する事が多いと思います。

玄関から離れた位置だと、パニックになってしまった子が送迎車の場所に来るまでに距離と時間がかかってしまい、途中で寝転んだりして動けなくなってしまうこともあります。

このような場合には他の事業所の送迎車が出払ってしまったあと、学校の送迎担当の先生に許可を貰い、玄関近くまで車を寄せる方法もあります。

玄関前に車を付けることで、子供の移動距離が少なくなるだけでなく、子供本人が送迎車や送迎職員を目にする事で、放課後等デイサービスに行く気持ちに切り替えるきっかけにも繋がります。

送迎車に乗せる座席を考慮する

気持ちが不安定な子供を送迎車に乗せる場合には、座席の位置の配慮も必要です。

お友達を叩いたり噛んだりしてしまう子の場合には、お友達から席を離したり、間に送迎担当の職員が座るようにします。

気持ちが不安定な場合には、見晴らしの良い助手席や、3列シートの後ろの列に一人で座ってもらうなどすると、落ち着ける事もあります。

パニック時には引き受けない

学校の先生がパニックの子でも強引に連れてきてしまう場合には、先生に『パニックの状態では送迎車に乗せることが出来ない』と伝え、引き受けない判断を取る必要もあります。

もちろんただ単に拒否するだけでなく、以前にパニックの子を乗せて怪我や事故があったこと、送迎車の座席配置から安全なスペースを取れない事、現状の送迎スタッフでは安全に見きれ無いことなど、明確に難しい理由を説明しましょう。

学校の先生も子供がパニックになった状態は十分に分かっていると思うので、ある程度は承知してくれると思います。

その代わり先生だけに任せるのではなく、放課後等デイサービスのスタッフも一緒になって落ち着くまで見守りましょう。

まとめ

パニックになってしまい、一番辛いのは子供本人です。まずは学校の先生と協力し子供本人の気持ちを汲み取り、落ち着かせてあげることが重要です。

また、パニックにより同乗している他の利用者や、送迎スタッフの安全が十分に担保できない場合には、送迎時間や活動時間を変更してでも子供が落ち着くのを待ちましょう。