予定の変更が苦手な発達障害の子供への放課後等デイサービスにおける支援方法
予定の変更が苦手な発達障害の子供への放課後等デイサービスにおける支援方法
自閉症などの発達障害の子供は、予期しないことや予定外の変更などがあると、不安や強いストレスを感じることがあります。この不安やストレスは場合によってパニックに繋がることもあります。
発達障害の大きな特徴として、物事の予測や予想をする事が難しく、これから起こりうることを想像するのが困難な場合があります。そのため想定外のことが発生すると、どのように対処をしたらよいのか分からず混乱してしまいます。
予期せぬ出来事以外にも、決まっていることへの変更も難しいため、毎回同じ動作をしたり、定められた順序でないと行動する事ができない事もあります。
このような動作は周囲からは「こだわり」と取られることもあります。このこだわりは本人が落ち着いて安心しながら行動を取るためで、子供の中で不安や緊張などがあると安心を求めるあまり、こだわりとして強く出ることがあります。
放課後等デイサービスで活動を行う際には、あらかじめ予定やスケジュールを説明し、見通しを持って行動をとれるような工夫が必要です。
予定やスケジュールの説明は、始まりの会などで予定表を見ながら理解をしてもらったり、活動内では『今行うこと』や『この次にやること』を伝えて意識してもらうようにします。
予定やスケジュールはやることだけではなく、事前の準備や活動後の後片付け、活動開始の時間や終了の時間なども伝えてあげると行動がスムーズになります。
変更が発生した場合の対処方法
放課後等デイサービスでは、様々な理由により予定通りの行動を行うのができなくなり、スケジュールを変更する事も多々あると思います。
予定の変更が発生する際には、変更する事が確定した時点で子供に今後の変更を教えてあげましょう。
なるべく早く予定の変更を教えることで、気持ちが不安定になってしまっても、気持ちの切り替えやクールダウンを行う時間を作ることができます。
変更が発生した際には変わる物事だけでなく、どのような順番で行うのか、何を行えばよいかなどを伝え、子供が見通しを持って行動をしやすいように伝えます。
予定の変更に対して不安を感じている場合には、変更への対処方法や、どのように行動すれば良いかを教えて不安を取り除いてあげましょう。
変更も過去に行ったことであれば「以前にやったことあるから、同じように行動すれば大丈夫」など、過去に経験しており始めての出来事では無いと教えてあげるとよいでしょう。
予定の変更に慣れさせる
場合によっては放課後等デイサービスの活動の中で、予定の変更を経験して慣れたり対処方法を学んでもらうことも必要です。
日常生活を送る上では、数多くの予定の変更が発生し、それに対して柔軟に対処する必要があります。
学校では先生が急病で代理の先生や授業事態が変わる事などがあります。社会に出て働き出してからは、急な仕事の依頼が入ることや、電車やバスなどの交通機関が事故で遅延するといった事は珍しいことではありません。
このような場合に対処ができないと、本人がストレスやパニックで辛い思いをしてしまいます。
予定の変更を行うのは子供の特徴や特性、タイミングにもよりますが、以下のパターンを使うことができます。
なお、これらの予定の変更も子供にしっかりと説明をして、予定と対処方法を教えてあげることが必要になります。また、無理に予定を変更して子ども自身にストレスを与えすぎないように見極めることが重要になります。
以前に行った事への変更
全くの初めての事への変更は不安を抱えパニックなどに繋がる事もありますが、以前に行った事がある物事への変更なら、物事自体は経験があるので、切り替えさえできれば比較的スムーズに対応できる事が多いです。
好きなことへ変更する
事前の予定では子供があまり好きではない活動や課題を設定しておき、変更後は子供本人が好きであったり自分から自信を持って行えるものにします。好きなことや出来る物事は自分で見通しを立てられるので、これも比較的容易な変更のひとつです。
変更後の予定を自分で決めてもらう
自分でやりたいことを選択できる場合には、変更後の予定を本人に決めて、自分で計画を立ててもらう方法もあります。こちらも自分で予定を立てて見通しをつけることができるので、切り替えもスムーズにいけると思います。
細かく変更
予定を変更する際には大きく変えるのではなく、子供本人が許容できる範囲で徐々に変えていく方法もあります。大きな変更だとパニックになってしまうと思いますが、細かい変更であれば、それほどストレスを与えることなく気持ちの切り替えの練習を行うことができます。
まとめ
自閉症などの発達障害の子供は、予期しない出来事や変更が苦手で、大きなストレスや不安を抱えてしまうことがあります。
放課後等デイサービスで活動をする際には、事前に予定を伝え、行動の流れや行うことを理解してもらい見通しを付けられるようにしましょう。見通しがつくことで、子供本人も落ち着いて行動する事ができます。
予定の変更が発生した場合にはなるべく早く伝えてあげ、再度見通しを付けさせて気持ちの安定を図ってあげましょう。