悪い言葉や乱暴な言葉を使う子への放課後等デイサービスでの対処方法
悪い言葉や乱暴な言葉を使う子への放課後等デイサービスでの対処方法
子供の中には「バカ」「うるせぇ」などと一般的に悪いとされる乱暴な言葉遣いをしたり、相手を傷つけてしまうような言葉を話す事があります。
言葉遣いは人と会話でコミュニケーションを取るための最も基本的な部分となります。
乱暴な言葉を使うと人との親密な関係をとることが難しくなってしまったり、相手から嫌われてしまうということにもつながりかねません。
このページでは乱暴な言葉遣いや悪い言葉を言ってまう子供への、放課後等デイサービスとしての対象方法を紹介します。
乱暴な言葉や悪い言葉を言ってしまう理由
子供が乱暴な言葉遣いをしたり、悪い言葉を言ってしまうのには様々な理由があります。
何かの影響を受けている
成長段階にある子供は、周囲の大人や好きなものからの影響を受けることが多いです。悪い言葉に対しても同じで、何かに影響を受けて使っている事も多いです。
子供が影響を受けやすいものにはアニメ、テレビ番組、ゲーム、最近ではYoutubeの動画からなどが多いです。
芸能人やお笑い芸人などに憧れている場合にはその有名人の真似をしてみたり、好きなアニメキャラなどがいると、そのキャラをカッコいいと思って口調を真似することも多いです。
また、親や兄弟など家族の言葉遣いが悪いと、その言葉遣いが普通だと思い影響されて汚い言葉を自然と話しているということもあります。
言葉の意味が分かっていない
汚い言葉や悪い言葉を話していても、実際には意味が分かっていないこともあります。
上記項目のように何かに影響されて言っている場合は、それが普通の話し方だと思っていたり、カッコいい言葉だと感じていることもあります。
また、言葉の意味自体をまったく分かっておらず、言い回しを好んでいたり、特に意味も無く癖のように言ってしまう場合も見られます。
その場に有った言葉が分からない
発達障害の子供は言葉の語彙が少なく、その場にあった言葉や、正しい意味の言葉遣いをするのが難しいこともあります。
自分の意にそぐわない場合などには、自分の気持ちを相手に言葉で伝えたり、否定の言葉を言うのが出来ない子も多く、とっさに「うるさい」「黙れ」「ばか」などと言ってしまうことも多いです。
衝動的に悪い言葉を言ってしまう
衝動性とは考えよりも行動が先に出てしまうもので、ADHD(注意欠陥・多動性障害)などの子供に見られやすい特性です。
衝動性の特性がある子の場合、悪い言葉だと分かっていても突発的に口に出してしまったり、口に出した後から「悪い言葉遣いだった」と感じることがあります。
周囲の反応を楽しんでいる
発達障害の子供はコミュニケーション能力の問題から、相手の注意を引きたい場合にその方法が分からず、悪いことや問題的な事をして注目を集めるという行動を取るときがあります。
例えば相手に気づいてもらいたい為に「相手の体を叩く」「髪の毛を引っ張る」という動作を取ったり、親の気を引きたくてイタズラをするなどがあります。
言葉に関しても同じで、悪い言葉遣いをすれば周囲の大人に気づいてもらえると思ったり、汚い言葉を言って注意を受けること自体をコミュニケーションとして楽しんでいる事もあります。
相手の気持ちが理解できない
相手の気持ちを理解するのが難しいのも発達障害の子の特徴のひとつです。そのため、乱暴な言葉遣いをした際に相手がどう思うのかが理解できず、人が傷つくような悪い言葉でも他人と話してしまうことがあります。
乱暴な言葉遣いへの対処方法
乱暴な言葉遣いをしてしまう子供に対しては、放課後等デイサービスでは場面の状態や、子供の理解力などを考え適切な対処と支援を行うことが重要になります。
その場で注意をする
子供が悪い言葉遣いをしてしまった際には、その場で注意をして「悪い言葉遣いであること」と、その場に会った正しい言葉遣いを教えてあげましょう。
発達障害の子供は後から悪い言葉遣いをしてしまったことを注意しても、既にそのことを覚えていない事があります。悪い言葉遣いをした事を忘れてしまっている状態で注意をしても、「何でいきなり注意されなければならないのだ」と感じ逆効果になることもあります。
そのためにも、悪い言葉遣いが見られた際にはその場で注意をするようにしましょう。
正しい言葉遣いを教える
正しい言葉が分からない場合には、その場面に適した言葉遣いを教えてあげましょう。
語彙が少なく悪い言葉を使ってしまう場合には、絵本読みやSST(ソーシャルスキルトレーニング)などの活動のなかで、場面にあった言葉を教え語彙を増やせるように支援します。
言葉遣いを教えるだけでなく、放課後等デイサービスの活動の中で相手を褒めたり逆に褒められる事を経験させることも正しい言葉遣いをするためにも重要です。
使ってはいけない言葉遣いを決める
使ってしまう悪い言葉が決まっている場合には、リストなどを作り使ってはいけない言葉としてルール化するのも効果があります。
使ってはいけない言葉のリストは放課後等デイサービス内の見えるところに掲示しておくと、子供も視界からNGワードを意識することが出来ます。
また、使ってはいけない悪い言葉とともに、言い換える正しい言葉も並べておくと効果的です。例(「黙れ→静かにしてください」「どけ→どいてください」)
相手の気持ちを伝える
相手の気持ちが理解できない子の場合には、乱暴な言葉遣いをされたら相手がどのような気持ちになるかを教えて考えてもらいましょう。
相手の気持ちとして理解が難しい場合には、相手を自分に置き換えさせて「お友達からバカと言われたらどんな気持ち?」と、自分の気持ちとして考えてもらう方法もあります。
まとめ
子供たちの中でも発達に遅れのある子は、その特性から乱暴な言葉や悪い言葉遣いをつかいがちです。
放課後等デイサービスの活動中に子供が悪い言葉遣いを使ってしまった際には、そのつど注意をし場面に合った正しい言葉を教えてあげましょう。
放課後等デイサービスの支援においては、語彙を増やせるような活動、場面に応じた言葉を理解できる活動などを設定したり、ちょっとしたコミュニケーションの中で適切な会話ができるように心がけましょう。
また、職員自身も子供に対し悪影響が出ないような、正しい言葉遣いに注意することが重要になります。