放課後等デイサービスの送迎時に保護者に引き継ぐ内容

放課後等デイサービスの送迎時に保護者に引き継ぐ内容

放課後等デイサービスでは預かったお子様を送迎や保護者のお迎えによってご家庭にお返しします。その際には必ず、放課後等デイサービスで行ったことや出来事、それに関した子供の様子などを保護者に引き継ぐようにしましょう。

放課後等デイサービスとしては、子供を預かってから保護者に返すまででひとつの区切りですが、利用している子供は放課後等デイサービスでの状態を引きずって自宅へと帰ります。

この状態が良い状況なら問題ありませんが、興奮していたり不安やストレスを感じたままだと、自宅に帰っても悪い影響が出てしまうことがあります。また、放課後等デイサービスと家庭の一貫した支援を行うためにも情報の提供と引継ぎが重要となります。

その日の放課後等デイサービスの活動内容や、子供の様子によって引き継ぐ内容は変わってくるとは思いますが、必ず何かしらの情報を保護者に引継ぎを行うようにしましょう。

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送迎時に保護者に引き継ぐ内容

放課後等デイサービスからの送迎時に、保護者に引き継ぐ必要がある主な項目について紹介します。

もちろんこのページにかかれたことを全部伝える必要は無く、その日に起きた特別な出来事などがある場合には、その詳細などを細かく伝えるようにしましょう。

活動の内容

放課後等デイサービスで行った活動の内容は簡単で良いので話しましょう。活動の最初から最後まで話すことは不要ですが、活動の要点や重要事項は伝えます。

特に活動の中で良かった点や頑張った部分などが見られたときには、本人の前で保護者に伝えてあげると、子供自身も喜ぶだけでなく自信ややる気にも繋がります。

逆に失敗や悪かった事など子供本人に聞かれたく無い話の場合には、子供に送迎車内で待ってもらったり、子供が自宅に入ってから保護者と話すようにしましょう。

子供の中には自分抜きで保護者と話をしていると、「悪い事を言われてるんだな」と思って不機嫌になったり、怒ってしまうという場合もあるので、子供本人の特徴や特性を理解して保護者とのやり取りを行うようにしましょう。

子供の体調

体調は伝えなくてはいけない重要な事項です。普段と変わりなく元気な場合には問題がありませんが、元気が無かったときや、活動に参加できなかった場合などは体調が悪くなる前兆である場合も多いので注意が必要です。

熱などが無くても活動中に熱などを測った場合には、測ったときの状態や何度であったかも連絡します。

癲癇の発作を持っている子の場合には、前兆と見られるような様子や普段と違う状態が見られたら伝えるようにしましょう。

怪我

放課後等デイサービスの活動中に転んだり何かにぶつかったりしたなどで怪我をした場合には、怪我の状態だけでなく、怪我をした経緯や、消毒や治療の有無などを伝えます。

具体的な怪我だけでなく、鼻血が出たことや、蚊に刺されてしまい腫れが大きい場合など、子供の体に何らかの変化があった場合には保護者に伝えましょう。

放課後等デイサービスの活動中に起こりやすい怪我には、お散歩や公園活動などで転ぶ、室内で何かにぶつかる、工作などの創作活動で指を切る、他害行為のあるお友達から叩かれたり引っかかれたりするなどが多いと思います。

ある程度の怪我を負わせてしまった場合には、子供が帰宅後に管理者や責任者が保護者に改めてお詫びの連絡を入れると共に、その後の子供の様子を保護者から確認するようにしましょう。

帰宅後に自宅で痛みを訴えたり、通院をするような状態になった場合には、保護者から放課後等デイサービスの事業所へ連絡を貰えるように伝えましょう。

おやつや昼食の内容

食べ物のこだわりなどで給食が食べられない子や、肥満や体重増加の問題などを抱えている子供の場合には、放課後等デイサービスで提供したおやつや、食べた昼食についても引き継ぎます。

食べ物のこだわりから学校の給食やおやつが食べられなかった子供の場合には、食べた量を説明し、自宅では好きな食べ物をたくさん食べてもらうように伝えます。

太って体重が増えてカロリー制限や摂食指導などが有る子供の場合には、どのような食べ物をどれぐらい食べたか(または残したか)を伝え、1日の摂取カロリー内に収まるように自宅で調整してもらいましょう。

上記の子供以外でも、おやつを普段よりも食べ過ぎてしまった子供がいる場合には、晩御飯の量にも影響が出ると思うので、食べた量や個数などを伝えましょう。

また、放課後等デイサービスのおやつで、苦手な食べ物や普段は食べないような食品を食べることができた際には保護者に伝えるとビックリしたり喜ばれる事もあります。

排尿や排便の有無

トイレが近い子や逆に極端にトイレに行く回数が少ない子、定時排泄を行っている子の場合には、トイレに行ったかどうかも連絡します。

トイレに行った際には排尿か排便か、出た量、最後にトイレに行ったおおよその時間なども伝えましょう。

紙パンツやオムツを利用している子供の場合、放課後等デイサービス側で預かっている紙パンツやオムツの量が少なくなったら、追加で預けてもらえるように声もかけましょう。

てんかん発作

てんかん(癲癇)の発作を持っている子供が放課後等デイサービスの活動中に発作を起こした場合にはその詳細を引き継ぎます。

基本的に大きな発作の場合にはその時点で保護者に連絡をすると思いますが、保護者との合意で発作が起きても放課後等デイサービスで預かって欲しいと言われている子供や、軽度の発作の場合や発作かどうか判断できない場合には発作の状況を伝えましょう。

伝える内容は発作の起きた時間、発作が続いた時間、発作の様子(痙攣、硬直、意識の有無など)、発作後の様子、理由がわかれば発作のきっかけなどです。

また、発作後にダイアップなどの薬を使用した際には、そのことも必ず報告します。

気持ちの安定度合い

放課後等デイサービスの活動中に、極端に気持ちが落ち込んだり、高揚したり、落ち着きが無いなどの様子が見られた場合には保護者に伝えます。注意を受けた、お友達と喧嘩をした、パニックを起こしたなど、気持ちが不安定になった理由もわかればその状況も話しておきましょう。

本人の気持ちが落ち着かないまま帰宅をすると、自宅に帰ってからパニックになったり暴れたりするということもあるので注意が必要になります。

パニックや自傷行為

パニックを起こしたり、自傷行為を起こしたりした場合も引き継ぎましょう。

パニックや自傷行為が起きた際にはその原因と考えられる理由や、状態、対処の方法、などを伝えます。自傷行為が有り怪我などをしてしまった場合には、治療の有無と怪我の部分を保護者に確認してもらいましょう。

他害行為

パニックなどで他人に攻撃をしてしまったり、物に当たって壊してしまった場合などにも保護者に伝えます。

他害行為で放課後等デイサービスの職員を怪我させてしまった場合はともかく(重度な怪我なら別ですが)、他のご利用者やお友達を怪我させてしまった場合にはその状況を連絡します。この際に怪我をしてしまったお友達の名前を直接出すのは止めましょう。

怪我をさせてしまった子の保護者が、相手のお子さんと保護者に謝りたいと申し出が有った場合には、直接保護者同士で話してもらうのではなく、まずは放課後等デイサービスの責任者などが間に入り、被害を受けた側の保護者に連絡を取るようにするのがベストな対応です。

物に当たって壊してしまった場合、消耗品や直すことが可能な場合はさほど問題はありませんが、比較的値段の高いものや修理にお金がかかるものの場合には、保護者に連絡し
場合によっては保険などで対応してもらうことがあることも伝えましょう。

身体拘束や隔離などをした場合

基本的に身体拘束や隔離や虐待行為に当たるため行ってはいけません。

しかし、本人や周囲の人に危険が及ぶ場合、切迫性・非代替性・一時性を考慮して身体拘束や隔離を行うことも有るかと思います。

その際には必ず保護者に状況説明、身体拘束や隔離の手段、行っていた時間などの詳細を報告します。また、その内容は記録として残しておく必要があります。

その他事項

上記の内容のほか、放課後等デイサービスの活動中に発生した重要事項や特別な内容があれば基本的に保護者に連絡し、それと同時に保護者に伝えた内容をメモなどに残し記録しておくと良いでしょう。

また、活動で良かった部分、成長が見られた点、頑張った場面などは隠す必要も無いので、積極的に保護者に伝えるようにしましょう。保護者としても子供が良かった部分を聞けるのはとてもうれしいと思います。

兄弟や祖父母のお迎えや、保護者が在宅で無い場合については、連絡帳に詳細を記載するか、別途電話やメールやLINEなどを使って情報を保護者に伝えるようにしましょう。

送迎の際には時間が迫っていて細かく伝える時間が無かったり、バタバタしていてつい伝えるのを忘れてしまうということも有ります。そのような場合に当日中に保護者に伝えなければならない引継ぎ内容があるときには、管理者や責任者からメールや電話やLINEなどで別途伝えてもらいましょう。

まとめ

放課後等デイサービスを利用時、お子さんの様子を保護者に伝えるのは、一貫した子供の支援を行う上で必要な事項です。放課後等デイサービスをご利用後、保護者のお迎え時や送迎で自宅お送り時には、放課後等デイサービスで有った事を必ず自宅にも連絡して引き継ぐひつようがあります。

このページで記載した内容すべてを伝えることは難しいとは思いますが、重要な事項は必ず口頭で保護者に引き継ぎ、細かいないようについては、メールや電話、連絡帳なども用いて効率的に保護者に放課後デイサービスの出来事を伝えるようにしましょう。

特に送迎サービスを行っている放課後等デイサービスですと、定期的な面談やモニタリングを除いて保護者と接したり情報共有をする機会は少ないと思います。

保護者が安心して放課後等デイサービスを利用してもらうためにも、送迎時に活動の様子や状況を伝えることは重要になります。