新しい事や初めての事への挑戦が難しい子への放課後等デイサービスにおける支援方法
新しい事や初めての事への挑戦が難しい子への放課後等デイサービスにおける支援方法
自閉症などの発達障害の子供は、初めての事への挑戦が難しいという特徴があります。
初めての活動などを取り入れると参加を拒んだり、その場で固まって動けなくなってしまったり、場合によっては不安を感じてパニックになる事もあるかと思います。
発達障害の子供が新しいことや初めての事への挑戦が難しいのには、予測が出来なかったり見通しがつかないためだと考えられています。
発達障害の子供は見通しがついて自分で安心が持てるものでないと、不安や恐怖を抱きます。そのため、全く新しいことだと「何をするのか」「どうなるのか」「どう対処したらよいのか」と様々なことが分からず動揺し、挑戦が難しくなってしまいます。
放課後等デイサービスでの新しいことへの支援方法
放課後等デイサービスでは様々な活動に参加することで、新しいことへ挑戦する場面も多く有ると思います。
新しいことへの参加が難しい子供には、どのような支援方法があるか紹介します。
見通しをつけてあげる
新しい事や初めての事への挑戦は、見通しがつかず不安を感じてストレスになることが多いです。
そのため、「何を行うのか」「何が起こるのか」「どの手順で行うのか」「終わりや完了の条件は何か」「どれぐらい行うのか」など説明し、今後のことを理解してもらい、見通しをつけて不安を取り除くことが必要になります。
過去の応用だと教える
全くの新しい事として挑戦すると気持ち的にもハードルが高くなり、挑戦するのにも躊躇してしまうことがあります。しかし、新しいことではなく「以前にもやった事がある」「過去の続き」など、以前に行ったことの応用だと伝える方法もあります。
パズルに挑戦するのが難しい子には「以前行った型はめの続き」と教えたり、ボーリングへの挑戦を拒む子には「ボール転がしの応用」だと伝えたりです。
手本を見せる
見通しをつけても実際にやることがイメージできないと不安を感じることも多いと思います。そのために指導員がお手本を見せたり、既に上手に行える子をお手本にして成功イメージを持たせてあげましょう。
成果物がある工作などの場合には、実際の完成品を見せることで、よりイメージを強く持たせることができます。
お手本だけでは難しい場合には、一緒に行ったり、子供が難しいと感じる部分を助けてあげましょう。
参加できる部分から行う
新しい活動に最初から参加が難しい場合には、見学してもらったり活動の外から眺めてもらう方法もあります。
活動を外部から見ることでお手本として確認にもなりますし、見通しをつけることにもつながります。
ある程度見学して子供が流れを掴んだところで参加を促してみたり、子供本人に確認し『出来そうだ!』と思った所だけ参加してもらうという方法も効果的です。
スモールステップで行う
新しいことへの挑戦も、いきなり1から10までを行うのではなく、細かい工程に分解し、1つずつスモールステップで挑戦していきましょう。
スモールステップにすることで、気持ちのハードルも低くなりますし、成功体験を増やすことにも繋がり、子供の『出来た』という自信や、やる気を高める事ができます。
スモールステップにする際には、子供の発達や能力に合わせて、必ずクリアできる適切なレベルを用意することが重要です。
ご褒美を用意する
新しいことに挑戦できた際にはご褒美を用意する方法もあります。
ご褒美には具体的にお菓子などの物や、好きな遊びや活動を行えるなど、子供本人がそのご褒美を目標と出来るものにしましょう。
スモールステップなどで行う場合にはポイントカードやトークン製にして、何ポイントたまったら好きなことが出来るなどを取る方法もあります。
成功体験で終わりにする
新しいことに挑戦できた際には、必ず成功体験で終わりにするようにしましょう。
新しいことに挑戦し成功したという体験を得ることで、自分の達成感になりますし、次回新しい事に挑戦する際の自信にもつながります。
残念ながら新しいことがクリア出来なかった際でも、「ここまでしか出来なかった」ではなく、「ここまで出来た」と成功体験で終わりにするようにしましょう。
失敗した際の対処法を教える
発達障害の子が新しいことへ挑戦する際の大きな心配事は、失敗した際の恐怖や不安だと思います。
失敗を恐れている場合には「失敗しても大丈夫」ということや「再度挑戦できる」こと、場合によっては「失敗した際の対処方法」を教えて安心させましょう。
失敗の対処方法も事前にお手本として見せることでイメージとして意識することができ、失敗した場合も比較的スムーズに対応できる事もあります。
まとめ
自閉症などの発達障害の子供が、新しいことに挑戦するのが苦手なのには、様々な理由があります。
放課後等デイサービスで支援を行う際には、それぞれの子供が何に対して不安を抱いているのか、どの部分につまずいているのかをよく見極めて、適切な支援を行うことが重要になります。